9月29日にブカレストを出発し、4日かけてルーマニアの真ん中あたり、
カルパチア山脈を越えたトランシルバニア地方にあるSibiuという
中世の古い町並みが今も残る、雰囲気のいい素敵な街に着いた。
この街は文化活動や芸術活動も盛んで、街には美術館や博物館、
小さな画廊、ギャラリー、劇場などがギュっと凝縮されたようにたくさんある。
まずは街を散策。歩いているだけでも楽しい。
教会の鐘がカラ~ンコロ~ンと鳴り、
あぁヨーロッパなんだなぁ...と、アザーンが恋しくなったりもしつつ、
街の雰囲気を楽しみながら歩き、おもしろそうなギャラリーを
のぞいてみたり...。
おもちゃみたいなかわいい車を発見☆
ここはおててつないで仲良く~♪の標識?!
街には芝居や映画鑑賞会、海外アーティストの個展などのポスターが
いろんなところに貼られていて、いくつか観ていると、ちょうどその日
街の劇場で『LuLu』という芝居があるようだ!観てみよう~っ♪
開演1時間前に劇場に行って、ずいぶん待って当日券を手に入れ
ワクワクしながら劇場の中へ。
たくさんの地元の人たちが楽しみにして観に来ていて、満員御礼!
舞台の上に客席をU字に、クイズ回答者の席みたいに急勾配に
7段くらい作って、舞台を見下ろ感じ。ちょっと新鮮。
もともと客席である座席の上に舞台と同じ高さの延長舞台をつくり、
黒いカーテンで仕切っている。
U字の客席の中央にステンレスの大きなテーブルが置かれていて、
そこで芝居が繰り広げられる。
音楽はピアノ、ヴァイオリン、コントラバスの生演奏。
芝居の内容は奇妙な感じだった。演技は迫真で、演出も斬新な感じも
したけど、舞台で主演女優がヌードになったりするちょっとビックリな
演出。映画でヌードシーンを目にすることはあっても、芝居で
目の前で女性がヌードになって演技するのは初めて観た。
言葉がわからないので、ストーリーは不可解なままだったけど、
なんとも奇妙な雰囲気の芝居だった。
どうもヌードの女性が、次々に男性を虜にし、次々にその男性が
死んでいく...というのが大きな芝居の流れだったんだけど...。
ストーリーはサッパリわからなかったけど、雰囲気と役者たちの
息づかい、観客の様子、演出などなどを観て楽しんだ。
舞台での芝居にしては、ビックリするような過激で卑猥な演技も
あったので、ちょっと衝撃的ではあった。
たまたま今いるホステルで働いている地元の女の子も観劇
していたらしく、ホステルに戻ると、
「あなたも芝居観に行ってたでしょ。最低な芝居だったね~!」
とご立腹な様子で、
「あの女は役者じゃなくて娼婦だわ!美しくもセクシーでもなく、
むやみに舞台で裸になって。必要ないわ!」
と言っていた。
ん~ストーリーがわからないから何とも言えないけど、確かに
だいぶ卑猥だったかも。
美術館にも行ってみた。たくさんの絵画があって、中にはおもしろい
ものもあったけど、そんなに好きな作品には出会わなかった。
でも古い地図が展示されていて、なかなか面白かった。
国境が今とは全然違っていたり、アジアとヨーロッパの境目がその当時から
イスタンブールのあたりで区切られていたり、ちょこんと一部分だけ
日本が載っている地図に細かく書かれた地名が、
「しこく」「のと」「さど」「しま」などなかなかマイナーめな地名ばかりだったり...。
今日は朝から雨。出発をとりやめ、部屋でくつろいでいる。
こんなまったり、ゆったりな時間を過ごすのも好き。
古めのジャズが流れていているのを聴きながら、コーヒーを飲んで...。
あ~の~んびり...。